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2003年9月7日日曜日

さわやか杯6ブロック予選・1回戦

パスをつなぐ…
つばさでは、この言葉が合い言葉のように使われています。
では、何故パスをつなぐのでしょう?
1本、2本とパスを交換するよりも、1発長いボールをFW目掛けて蹴っておいた方がノーリスクでボールを前線に送る事が出来るのに…

実際、公式戦になると(?)このような戦い方をするチームは非常に多いです。
自陣にボールがある事をとにかく嫌い、ボールを相手陣地に蹴り込む…
DFの選手がボールを止めて、パスコースを探そうものなら、「よけいなコトするな!蹴れ!」と…(言葉は『ロングボール』とか『FWを走らせる』とか上手く使い分けていますが、同じ事)
その上で、前戦からプレッシャーをかけ、高い位置でボールを奪う事が出来れば、相手ゴールに近い位置で攻撃をスタートする事が出来ます。

勝負に徹するのであれば、(小学生のように)技術的なレベルが低い相手ほど有効な戦法だと思います。
放り込まれたロングボールを上手く処理できないDFであれば、しめたもの。
蹴って蹴って蹴りまくれば、自然とチャンスは生まれてきます。
しかし、相手DFの技術が高ければ、単なる『放り込み』のボールはことごとく防がれてしまうでしょう。

もう、お判りだと思いますが、この戦い方は自らの手でチャンスを創りだすというよりも、相手のミスを誘い出す…というか、相手のミスを期待するサッカーとなるのです。
もちろん、相手DFがどうのこうのではなく、ロングボールがキレイに味方FWに通って、ゴールに結びつく事もあると思いますが、それが狙ったロングパスではなく、ただ前に蹴ったボールであるというのが大きな違いであり、それは単なる偶然というものなのです。

私は、このスタイルが好きではありません。
今まで、自分が指揮を執ったゲームではどんな大きな大会でも、また優勝のかかったゲームであってもこのようなスタイルを選んだ事はありません。
なぜなら、サッカーは『判断』のスポーツであり、『駆け引き』の比重が大きいと思っているからです。
『判断』する事も、相手と『駆け引き』勝負をする事も許されず、ただ大きく蹴るだけ…
自分が選手だったら耐えきれないでしょうし、サッカーの楽しさを味わえないでしょう。
また、小学生はサッカーの本当の面白さを知らなければいけないと思います。

たとえ、ボールを蹴ってもらう方のFWだとしても、サッカーの本来の面白さは味わえないでしょう。
適当に蹴られたボールを犬のように追い回し、相手のミスを期待しながらボールを取りに行く……これもサッカーなのですが、役割がこればかりなのは自分には耐えられません。
タイミング良く相手のマークを外しスルーパスを受けたり、ワン・ツーのカベ役となり、味方にシュートを打たせたり、リターンパスを出すフリをして自らシュートを打つ。
このような多種多様なプレーを多く見せ、相手DFラインを翻弄する。
これがサッカーの面白い所なのではないでしょうか?
そのような事(サッカー本来の魅力)は、『放り込み』のスタイルからはうまれないのです。

さて、前置きが長くなりましたが、パスをつなぐ意味とは…
そうです、チャンスを自らの手で創り出すためなのです。
偶然によってうまれたシュートチャンスではなく、シュートチャンスを創り出すために…
それも、より良い(ノーマークで、しかも止まっているボールを利き足で打てるような)形でシュートを打てるように…

そのためには、精度の高いラストパスが必要になります。
単純に考えると、ラストパスを出す選手とシュートを打つ選手の距離は短い方が良いでしょう。
しかも、ラストパスを出す選手は、ノーマークの状態で出した方が良いでしょう。
ラストパスを出す選手がそのような状態で、パスを出せるようにするためには、そこに出るボールが精度の高いパスであり、そこにパスを出す選手との距離は短く、ノーマークの状態で………と延々(実際には、そんなに長くボールを回しませんが)と続きます。

パスを回すという事は、よい形でシュートを打つために、フリーの選手へボールを渡すのです。
通常は、ノーマークでシュートを打てることは滅多にありません。
また、ノーマークでラストパスを出せる事も殆どありません。(それでも、1試合の中に何度かはある。それを感じる事が出来るかどうか、活かせる事が出来るかどうかがポイント)
そのわずかなチャンスを創り出すために、チーム全体でパスを回すのです。
よい形でシュートを打つために、また最高のラストパスを出せるように…

ということで、今日のゲームですが…
中盤では、ほとんどノーマークでボールを持つ事が出来ました。
これは、速いテンポでボールを回した結果、フリーでボールを受ける事が出来たのではなく、相手のプレッシャーが甘かったからです。
これは、願ってもない事です。
中盤でボールを持てば、フリーで前を向ける…こんな状態が、ゲーム中に何度もありました。

でも、それだけでした。
そこから最後の『くずす』イメージを感じる事はありませんでした。
昨年の6年生は、『くずし』のイメージを持たせる所まで練習テーマを移行させる事が出来ませんでしたし、今の6年生も最近そのテーマに取り掛かったばかり…
とはいっても、コーチに教えられてトレーニングをしないとそのようなイメージが持てないのでは少々淋しい気がします。

今は、テレビで色々な国のリーグを見る事が出来ます。(自分の時は『ダイヤモンドサッカー』のみ)
その中から、『スゲェ!』と思う(何を『スゲェ!』と思うかが大切ですが)ようなプレーをしっかりと頭の中に刻み込み、まねしようとする事が大切です。
サッカーバカになる事、サッカーマニアになる事、頭でっかちと呼ばれても、それは非常に大切な事だと思います。

ボールをコントロールする事に精一杯であれば、そのようなイメージを持つ事は出来ませんが、今の6年生はそれらの技術的な課題をある程度クリアしているはずです。
色々なプレーをイメージしながらサッカーが出来るようになろうではありませんか!

ボールを大切につなぐ事、それは良い形のフィニッシュへ結びつけるため。
よりフリーな良い状態の選手へボールを預け、チーム全員でチャンスを創り出そう!
そして、運良くラストパスを出せる位置・タイミングでボールを持ったら、ダレもが驚くような『くずし』のプレーを見せよう!
そして、さらにラッキーな事に、シュートチャンスをもらった選手は、チーム全員で作り上げたこのチャンスを得点に結びつけよう!
頭を使えるようになれば、サッカーがもっともっと面白くなるはず!

めざせ、サッカーマニア!

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